消化器疾患について
消化器とは、口から食道、胃、小腸、大腸といった食べ物が通過する消化管、肝臓や膵臓、唾液腺といった消化液を出す消化腺、そして舌や歯といった付属器の総称です。
消化器は主に食物の消化、吸収に関わる器官で、問題が起こると栄養を効率よく摂ることが困難になり健康に大きく影響します。
また腸は体全体の免疫細胞の約60%が存在する体内最大の免疫器官であり、腸内環境の悪化は栄養の吸収だけでなく免疫力の低下も招き、重篤な場合は命に関わることも少なくありません。
そして消化器疾患の最も怖いところは病気を見つけることが難しい点です。
沈黙の臓器と呼ばれる肝臓や、膵臓、胆嚢は特徴的な症状や自覚症状が出にくいため発見が遅くなる傾向があり、見つけた頃にはかなり進行しているということが度々あります。
また、暗黙の臓器と呼ばれる小腸はそもそも病気を見つけることが非常に困難な臓器です。
近年、人の医療では小腸まで届く内視鏡が開発されたおかげで今まで見ることができなかった小腸の中を調べることができるようになりました。しかし、獣医領域ではまだまだ暗黙の臓器のままです。
このような診断が難しい病気を見つけ治療をしていくために、当院では血液検査や画像検査などの諸検査はもちろん、飼い主様への問診や症状の出方、また気候や食事、生活環境の変化など様々な観点から総合的に判断、診断するよう心掛けています。
対象となる主な疾患
- 犬猫
口腔内疾患、咽頭・食道疾患、胃腸疾患、肝疾患、胆嚢疾患、膵臓疾患など
当院で実施できる検査
- 血液検査(一般血液検査、特殊検査)
- レントゲン検査
- 超音波検査
- 生検による細胞検査、組織検査