腎泌尿器疾患について
泌尿器とは血液中の老廃物を尿として体の外へ排出させる機能に関わる臓器のことを指し、腎臓、尿管、膀胱、尿道があります。
腎泌尿器疾患でとくに問題となるのは若齢猫の尿石症(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道閉塞など)と高齢猫の慢性腎臓病で、泌尿器疾患は5歳以上の猫の死因では第1位です(アニコム家庭どうぶつ白書2017より)。
また5歳以上の犬においても死因の上位に入ってきます。
とくに猫においては腎臓の機能を守ることが寿命を延ばすこととイコールといっても過言では無いでしょう。
腎疾患、とくに慢性腎臓病はなかなか症状に現れにくく、発見が遅くなる傾向にあります。
症状が出る頃には尿毒症に陥っていた、ということも珍しくありません。
つまりは腎臓病を早期発見するには元気なうちから健康診断をして異常を見つけていく以外方法がありません。
近年ではより早期に腎臓の異常を察知できる検査もできるようになり、従来の方法と併せて腎疾患の早期発見をすることが可能になってきました。
早期発見ができたら次は早期治療です。
とくに慢性腎臓病は根治が難しい疾患なので対症治療が中心であり、主に食事療法が重要となってきます。
最近ではごく初期の慢性腎臓病に対する療法食や病気の進行を遅らせる治療薬などもあり、早期治療も可能となってきました。
腎臓をはじめ泌尿器疾患とうまく付き合うことで長く健やかな生活を送ることができます。
対象となる主な疾患
- 犬
膀胱炎、尿石症、前立腺疾患(雄)、慢性腎臓病 - 猫
膀胱炎、尿石症、慢性腎臓病
当院で実施できる検査
- 尿検査
- 血液検査(一般血液検査、SDMA)
- レントゲン検査
- 超音波検査(エコー)